今日このクラスに新入生がきた。

別によくあることでいままで俺には全くの無関係だったからどうでもいいことだった。

しかし今回入ってきた奴は放っておくわけにはいかなくなった。



【 君に甘い口付けを 】





「お〜い蜜柑!!」


「ん?なんや彷徨?」


そうだ・・・東條彷徨とかいうのが新しく入ってきた奴だ。
いつのまにか『蜜柑』と呼び捨てにしている。


「これからセントラルタウン案内してくれよ!」


「ええよー!うちの大好きなホワロンのお店も教えてあげる!!じゃあ蛍も誘って・・・」


「せっかくだし2人で行こうぜ〜!!」


この会話をイライラと聞いていた棗はついに口を開いた。


「おい東條・・・何が『せっかく』なんだよ。言っておくけどこいつは・・・・・・」


こいつは・・・の後の言葉が出てこない。

もしも『彼女』なら止めることができても別に付き合っているわけじゃない・・・。


            アイツハオレノナンナンダ?



「で?日向くん何?俺達急ぐんだけど早くしてくれない?」


『俺達』という言葉に酷く腹が立つ。

「こいつは・・・・至上最悪の方向音痴だ。
行くなら今井とかを連れて行かないと二度と戻って来れない」


棗の言葉にカチンときたのか蜜柑は


「何やと〜!?うち方向音痴やあらへん!!もうええ、彷徨行こっ!!」


と蜜柑は彷徨を連れて教室を出ていってしまった。


「・・・っ」


チリチリと胸の奥が焼けるように熱く落ち着かない・・・。
何故だかわからないしどうしたらいいのかもわからない・・・。

そんな時
「本当に日向君は馬鹿ね。私を誰だと思っているのかしら?」


ふいに声のする方へ顔を向けると蛍の得意げな顔が目に入る。
何やらテレビのような機械を机にセットしポチっとスイッチを点ければテレビから聞き慣れた声がした。




         「なぁ彷徨〜ホンマにこっちでええの?うちこんな道通ったことあらへんで?」

         「ああ。もう少し行けばすごい綺麗な湖があるんだ。
            蜜柑にそれを見せてやりたいんだよ」



確か彷徨はセントラルタウンに行くと言っていたはずなのに・・・湖?

「なるほど・・・セントラルタウンに行くっていうのは口実で実はデートだったのね。
東條くんなかなかやるじゃない」


蛍は棗を見る。

本人は平静を装っているつもりなのかもしれないが明らかに不愉快そうな顔をしどこか落ち着きがない。

テレビからは再び声が聞こえ始める。電波が悪いのか途切れ途切れの2人の会話。



   「・・・・・・大好き」



   「・・・蜜柑・・・俺も好きだぜ」



「!?」


「日向君・・・発信機によると・・・蜜柑たちのいる場所はベアの小屋のすぐ近くよ?・・・で・・・」


蛍が最後まで言い終わらないうちに
「別に関係ねーよ」と棗は教室から出て行った。



残された蛍は・・・

「・・・今の会話を本気で信じてるのかしら・・・?
私小細工に気付かないなんて日向君って蜜柑に負けないくらい馬鹿ね」



蛍はニヤリと悪魔の微笑みを見せる。



実際の会話はこう↓


何のお菓子が好きかの話題で・・・


「うちホワロンが大好き〜」

「蜜柑もか!?俺もホワロン好きだぜ」


といういたってふつーな会話☆


「後は日向君が蜜柑たちの所へ行くのを待つだけね。」



蛍は自作の蛍衛星TVの前でニンマリとしながら棗を待つ。


一方棗はというと蜜柑たちのもとへ急いでいた。



自分を動かすこの気持ちが何なのかわからないまま北の森奥へと進む。

キラキラと夕日が反射する水面が見え、草の影から見慣れたツインテールが見える。



   「蜜柑っ!!」

気付けば棗は蜜柑に歩み寄り強く抱きしめていた。


「おい東條・・・こいつ・・・蜜柑は俺のものだ」



やっと・・・やっと言えた。



いままでもやもやとしていた気持ちがすっと消え自分を動かす気持ちが『恋』だということに気付いてしまった。

気付いたからにはもう後戻りはできない。


                 これからも俺は1歩ずつ蜜柑との距離を縮めていきたい。



そんな思いを胸に俺は蜜柑に甘い口付けをした。



++END++





言い訳
棗×蜜柑で転校生が蜜柑を見て一目惚れ!それに棗が嫉妬!!
というリクエストをいただいて書いてみたのですが・・・
なんだかリクエスト通りじゃない・・・・ですね・・・。
文才ない奴でごめんなさい><;

最後まで読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m
そして最後になりましたが、音梨 諷華様!!リクエストありがとうございました☆