【 Sweet Kiss 】
蜜柑はケーキを作ろうとクリームを泡立てています。
「〜♪〜♪あした〜はほたるぅの〜た〜んじょうびぃ〜♪♪」
そう。明日は大好きな蛍の誕生日なのです。
蛍の誕生日→だからケーキを作る。という所までは計画通りなのであるが
1点だけ計画外なことがあった。
「おい・・・誕生日の歌を演歌みたいに歌うなよ・・・聞いてられねー」
たった1点の計画外なこと・・・それは棗がいることであった。
蜜柑のようにシングルの部屋にはキッチンがなくケーキが作れないのである。
そこで棗に頼んで棗の部屋のキッチンを借りてケーキを作っているのだが・・・。
「演歌やないわ〜じーちゃん直伝の歌い方なんやで!」
あぁ・・・なるほど。だから演歌みたいに歌うのか・・・と棗はひどく納得したご様子である。
しばらくするとオーブンからケーキの甘い香りがし始め蜜柑はクリームを泡立てながら
何度も何度もオーブンを覗き込んでいる。
「棗にも後で味見させてあげる!!」
「・・・あぁ」
そっけない返事に少し腹を立てた蜜柑だったが
キッチンを借りている手前あまり大きなことは言えない。
しかし何故か棗が楽しくなさそうにすると
自分もなんだかすべてのことがつまらないような気がしてくる。
「棗はもっと楽しそうにできへんの?」
「楽しそうにって・・・
俺がお前みたいに演歌調の歌を歌ったりしろっていうのか!?想像してみろ・・・」
「・・・・・・・・・・・・。そっ・・・そういうことやなくて・・・なんかこう笑ってみるとかー。」
蜜柑は棗と話しながら泡立てたクリームをつまみ食いしていた。
「お前何そんなにニヤニヤしてクリーム食ってんだよ・・・気色わりー」
「何やとー!?失礼な奴め・・・。
そうや!!例えば目の前に自分の好きな食べ物があると嬉しくなるやろ?せやから・・・」
蜜柑が最後まで言い終わらないうちに棗は蜜柑の前へ来ていた。
不意に蜜柑が顔を上げれば棗の顔との距離はいっそう縮まる。
「・・・?あんた何してるん?もしかしてクリームの味見したいとか?」
「バーカ。」
棗は蜜柑の唇を自身の唇で塞ぐ。
「ん・・・っ・・・」
堅く閉じている口に侵入してくる感覚に目眩がし、
足ががくがくとして立っているのがやっとだった。
どれくらいの時間が経ったのだろう。ようやく唇が離れた時銀の糸が2人をつなぐ。
蜜柑はペタンと床に座り込んだ。
「う〜/////何すんねん!!」
「味見。お前がさっき味見しろって言ったんだろ」
「違〜〜う!!!それはケーキのことや!!このエロぎつねー!!」
蜜柑は俯いた顔を真っ赤にしながら必死に叫ぶが未だに腰が立たないようだ。
「ご馳走様。」
座り込んで動けない蜜柑に勝ち誇ったように言い放ち部屋を出て行った。
その時見えた横顔は僅かに笑っているように見えた。
+おまけ+
棗が部屋を出ていく時何かを思い出したように蜜柑にこう言った。
「目の前に自分の好きな物があると嬉しくなるんじゃなくて喰いたくなるんだよ・・・」
この言葉が蜜柑にどんな反応をしたか・・・それは当人たちしか知らない。
++END++
言い訳
ちょっと棗蜜柑の「関係」を進行させてみました。たまにはこのくらいでも・・・いいですよね・・・??
最後まで読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m