【 約束 】




「ええっ!?花火??」

大声を出したためにその声は廊下中に響きわたった。

「佐倉…何もそんなに驚かなくても…」

只今アリス学園も夏休み真っ最中。
ルカはセントラルタウンで行われる花火大会に蜜柑を誘っている所であった。


「明日の夕方からなんだけど…もしよかったら…どうかな?」


「行きたいっ!!嬉しい。うち絶対行くで!!」


蜜柑の嬉しそうな顔に自然とルカの顔も綻ぶ。


「じゃあ明日の7時に迎えに行くから…」


「うん。じゃあ明日な!!」


パタりと蜜柑の部屋の扉が閉まり
ルカは小さくガッツポーズをして部屋へ帰って行った。





* * *
翌日PM7:00



調度蜜柑の部屋へルカが迎えに来ているところであった。
コンコンと扉を叩けば中からドタバタと焦っているような音が聞こえた。


「鍵開いてるから入って〜」


言われた通り扉を開ければ
淡いピンクの浴衣を着た蜜柑がいそいそと荷物の準備をしている。
普段は二つに結わいている髪を下ろし浴衣姿がやけに可愛く…
そして色っぽく見えた。


「…っ…/////」


「よしっ。準備完了!!待たせてごめん…ってあれ?
 ルカぴょん顔赤いで?風邪でもひいたん?」


ルカの心情を全く察していない蜜柑は心配そうに顔を近付け
ルカの額に自分の手をぴとっと当てる。

ルカは顔がかぁっと熱くなって思わず顔を俯けた。


「ルカぴょん!?どうしたん??」


「えっと…花火!!そう花火がもうすぐ始まるよ。。急ごう!!」


ルカは慌てて部屋を飛び出した。





額に当てられていた蜜柑の手を握ったまま…





お互いの手を握りながら息苦しい人込みを抜けると
夜の心地良い風が髪を揺らす。


「ここ花火がよく見えるし人も全然いないし穴場なんだ。」


「ホンマや〜。」


辺りを見回してもやはり人影一つない。

近くにぽつんと置かれているベンチに腰をかけると

「ドーン」という音と共に目の前に色鮮やかな花火が上がる。

花火の迫力、美しさに2人は息を飲んだ。


「うわ〜めっちゃ綺麗や。」


そういって花火を見上げる蜜柑の横顔に視線を送れば


「ん?どうしたん?花火見いへんの?」


と不思議そうに首を傾げた。そんな姿がとても可愛いくて…

思わず彼女のさらさらとした長い髪をすくい上げ髪にキスをする。


頬を赤らめる蜜柑にルカは微笑みながら


「また来年も一緒に花火を見に行ってくれる?」


と聞けば蜜柑はこくりと頷き小指を差し出す。


「約束な。」



差し出された蜜柑の小指に自分の小指を絡める。




この指に感じる温もりは確かなものだから…





       この約束もきっと確かなものにしてみせる。







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久々のUPです。
粗末なものですが秋木の実様の80000HITのお祝いに送らせていただきました。

読んでくださってありがとうございました。