「おめでとー♪ついに蜜柑ちゃんにも好きな人ができたんだ〜」



「「「「えっ?」」」」







少し冷い秋風が吹くこの頃、B組の教室の温度がぐっと下がった瞬間であった。









【 キーホルダー 】







「だってそれ両想い成就のキーホルダーだよね?」





蜜柑のふでばこに付けられたキーホルダーを指さして言った。








最近学園では願いの叶うキーホルダーが大流行していた。
しかしその効力はおまじないの気休め程度である…。




このキーホルダーにはチェーンの先に2匹のマスコットが付いていて
1匹を自分が持ち、もう1匹を好きな相手に渡せれば恋が叶うと言われていた。







しかし蜜柑のふでばこには2兎のうさぎが仲良く肩を並べていた。







「蜜柑ちゃんはこのマスコットの片方誰にあげるの??」




もともと野乃子たちは恋の話になると興味深々だが
あの恋愛無関心な蜜柑の恋話となると

クラスの他の生徒たちも珍しいらしく聞き耳をたてていた。






「誰にもあげへんよー。」




「えぇっ…なんで!?」




「だって誰かと両想いになるためやなくて
  このうさぎが可愛いから欲しくて買ったんやもん」






いかにも蜜柑らしい答えに教室のあちこちからため息が聞こえ
いつもの賑やかさを取り戻していった。






*   *   *   *







皆がすでに帰った放課後、不運にも蜜柑は廊下を走っているのを見つかり
神野に罰掃除をするように言われた。






「も〜!!なんでうちがこんな目にあわなあかんねん!!」




季節は秋。蜜柑がいくら頑張ってほうきを動かしても
葉は蜜柑をからかうかのように風にのってはらはらと舞落ちてくる。





「こんなんじゃいつまでたっても終わらへん…。」



「終わらないって何が?」





蜜柑がポツリともらした声の後に突然後ろから聞き慣れた声が聞こえ
驚いて振り返るとそこにはルカが不思議そうな顔をして立っていた。






「ルカぴょん!!なんでこんな時間に学校に残ってるん?」




「……なんとなくそういう気分だったんだよ。」




ルカは蜜柑が罰掃除と聞き蜜柑のことを待っていた・・とは言えなかったのである。






「あっ!そうやルカぴょん。ちょっと手出して!」







蜜柑に言われルカは蜜柑の方へ手を差し出した。







  風の音が聞こえずまるで時間が止まったような感覚で鈴の音だけが耳に響いた。







「え…これって…」





ルカの手の上にはちょこんと1匹の小さなうさぎのマスコットが乗っていた。


確か昼間に蜜柑が野乃子たちと話していた両想いになれるうさぎマスコットであった。





「ルカぴょんうさぎ好きやろ?だから1つおすそ分けや。」





「……いいの?もらっちゃって…さっき誰にもあげないって言ってなかった?」





少し困惑した様子のルカに蜜柑は優しく微笑んだ。






「だって教室で『ルカぴょんにあげる』なんて言ったら皆が誤解して
 ルカぴょんに迷惑かかるやろ?」





そう言う蜜柑が愛しくて愛しくて思わず蜜柑を抱き寄せた。







「…迷惑じゃない」




「えっ?」





「佐倉となら皆に誤解されても全然迷惑なんかじゃないよ…」







ルカは真っ赤な顔を蜜柑に見られないようにさらにぎゅっと強く蜜柑を抱きしめた。









そんな2人を優しく撫でるかのように秋の冷たい風が2人の優しく包んだ。












+END+




久々更新です・・・。ルカ×蜜柑小説を増やしてください!というご要望をいただいたので作ってみました^^


感想などいただければ嬉しいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。