冷たい風の声が聞こえてきたらもうすぐ冬の始まり…







【 マフラー 】











「蜜柑ちゃん!その赤いマフラー誰にあげるの?」










教室にいた蜜柑が編み物をしていたために

  『手編みのマフラー=恋』という変換がなされたのだろう。






アンナと野乃子が目を輝かせて蜜柑に近付いて来た。










「内緒ー♪////」










僅かに頬を赤らめて言う蜜柑を遠くから眺める怪しい影が3つ…












「あら…蜜柑ったらあのマフラー誰にあげるのかしら?…何て言ったって



手編み
      蜜柑の愛がこもっているのよねぇ…。






          気になるでしょう。











蛍はわざとらしく隣にいる棗とルカの方へ視線を向けた。










「…知るかよ」




「べ…別に。」







            気になるに決まってるだろーーーーーー










2人の心の声に満足しながら蛍は自分の机に戻っていった。














そんな間にも蜜柑はどんどんとマフラーを編み続け、
出来上がったマフラーを綺麗にラッピングし始めた。









「蛍ー!うちちょっと出掛けてくるな」






「…えぇ。いってらっしゃい。」









教室を駆け出した蜜柑を見送ると蛍は棗とルカの方に視線を向けたが
その時2人は既に教室にはいなかった。
















「佐倉どこまで行くのかな?」




「さぁな…」






結局気になって蜜柑の後をつけてきた棗とルカだか
蜜柑の行動に全く予想も付かずにいた。





蜜柑は北の森へ入って行ったのだがなかなか止まる気配もない。











「北の森で逢引きか…なぁ棗、相手の男が来たら…」
    ※逢引き・・・男女の密会☆




「焼き加減はウェルダン程度だ。」






   つまり『血が出なくなるまでしっかりと焼く』ってことですね!








「出来上がったウェルダンの肉を食べる動物を俺が連れてくればいいよね、棗。」





「ああ…ライオンとかチーターみたいな肉食動物連れて来いよ」







そんな恐ろしい会話がなされていたその瞬間蜜柑が突然走り出した。









「良かった〜おってくれて。」









蜜柑は満面の笑みを見せていた。








棗とルカはそれぞれの想いを秘めつつそーっと
蜜柑の待ち合わせの相手を確かめた。






「「!!」」








その相のことは2人もよく知っていた。






そこには森の番人と言われるベアがいたのであった。












「これから寒くなるやろ?これベアにあげるわ」









蜜柑は赤いマフラーを渡した。









「うちと仲良くしよ、な?」






そう言って蜜柑がベアに近づいた途端ベアは蜜柑を殴り飛ばした。









     バコ−−−−ン






「何やなーーー」








虚しく蜜柑の声が響いた。






蜜柑は宙を浮きその様子を覗いていた棗とルカの側に落ちた。





ドーン












「…いたた……あれ?棗にルカぴょん?こんな所に何しに来たん?」






「「別に…」」













そんな君の優しさが…



たまらなく愛しいんだ…










オマケ



学園にこんな噂が広まった。




寒い冬も暑い夏になっても北の森の番人ベアは
赤い編み目もボロボロの手編みのマフラーをいつも首に巻いているらしい…と。





+END+










久々の短編小説です;(更新も久々です;)
蜜柑ちゃんのこんな一面もあるのではないかと思って作りました。も
感想などいただければ嬉しいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。