【 嫉妬と愛情の狭間 】
「蜜柑…行こう。こんなやつに蜜柑は任せられない。」
裕桔は棗を鋭く睨みつけると蜜柑の腕を取り教室を後にした。
「裕桔の勝ちね…」
と口を零した。
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その夜、ちょうど時計が0時を回った時ルカが棗の部屋へ訪ねてきた。
「なぁ棗…俺の部屋にこんな手紙が置いてあって…」
「手紙?」
内容は簡単で、2人に夜中0時になったら寮の1階の廊下に来るように書いてあった。
「誰からだろう……ひょっとして…芳賀裕桔?」
「かもな…仕方ねぇ。行くぞ」
二人は静まりかえった寮の廊下を無言で歩き出した。
さすがにこの時間にもなればどの部屋からも音がするはずもなく
2人の足音だけが無気味に響いていた。
そんな中真っ暗な長い廊下の中にたった1部屋だけ光がもれている部屋があった。
「棗…あの部屋って…」
「あぁ。」
2人にはそれが誰の部屋だかすぐにわかった。
明かりが漏れていたのは紛れも無く蜜柑の部屋であった。
しかも裕桔が転校してきてからは一緒に生活している。
こんな時間にどうして起きているのだろうと2人は思いながらも
蜜柑の部屋の前を通過した時だった。
「…あぁっ…うちもうアカン」
「何言ってんだよ蜜柑。お前が言い出したんだろ。…ここか?」
「っあ…ん。…ふ…っ裕桔ぃ。もう少し優しくし…っ」
「「!!!」」
部屋から聞こえてくる会話に2人は思わず顔を見合わせた。
きっとこの時2人の脳裏にはめくるめくる危険な世界の映像が流れたことだろう。
慌てた2人は蜜柑の部屋の扉を勢い良く開けた。
バンっ
「佐倉っ!!」
扉を開けるとそこには
2人が予期してないような光景が広がっていた。
ベットの上に薄着で寝転がる蜜柑と祐桔…そこまでは2人の想像通りであったが…
「…2人してすごい勢いで人の部屋を勝手に開けて何なん?せっかくマッサージしてもらってたのに」
「「…マッサージ!?」」
二人が唖然としているとどこからともなく
フラッシュの光がチカチカと点滅し始めた。
「お2人ともご愁傷様」
カメラを片手に不敵な笑みを零す女王様蛍がいた。
続いて裕桔も笑い出した。
「裕桔ご苦労様。…お金はあなたと私で6:4だからね。」
「わかってるよ」
蛍と祐桔が楽しそうお金の取り分の話をしている中
いまいち状況が掴めない2人は唖然としたままだった。
「あら2人共まだわかってないの?裕桔は本当は女なのよ。」
「「は!?」」
「2人の嫉妬心に塗れてる写真が撮りたかったのよ。
ここ数日の2人の写真…良く撮れてるから安心しなさい。
タイトルは予定通り 『嫉妬と愛情の狭間』よ」
そう言ってニヤリと笑う蛍を前に2人はコイツだけには
一生敵わないことを悟ったのであった。
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お約束な展開の長編がようやく完成しました☆
最後まで読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m